PR

【ほんやく通信】新型コロナウイルスで注目が集まった中国の「非接触ビジネス」の将来

非接触ビジネスのトップ CHINA NEWS
記事内に広告が含まれています。

2020年に世界を震撼させた新型コロナウイルス(COVID-19)。

感染予防を目的に各種活動が制限され、経済的に深刻な影響を与えました。

一方で、新たなビジネスも生まれています。
特に焦点が集まっているのは、人と人とが接触をせずにコミュニケーションや取引を完結させる形のモデル

オンライン会議支援ツールの「Zoom」(ズーム)や「腾讯会议」(テンセントミーティング、Tencent Meeting)は、リモートワークの導入に無くてはならないツールとなっています。

【中国版Zoom】オンライン会議ツール「テンセントミーティング」の特徴を分かりやすく解説
新型コロナウイルスの拡大が止まらない昨今、遠隔地にて業務を行うリモートワーク/テレワークの導入に伴い、多くの会社がコミュニケーションツールを活用しています。 その1つ、アメリカ発のオンライン/ビデオ会議ソフト「Zoom」(ズーム)はビジネス...

また、外出自粛によってオンラインショッピング・通販への需要が急増。
これに伴い、配達員との接触を避け、間接的に荷物を受け取る「受取ボックス」が登場しました。

この「非接触ビジネス」を巡って、各社がしのぎを削っています。

非接触ビジネスの誕生

とその前に、「非接触ビジネス」とは何か。
どのような分野や製品が含まれるのかを確認しておきましょう。

現時点で存在しているサービスは、

・無人コンビニ
・宅配受取ボックス
・スーパーのセルフレジ
・非接触の取食棚
・無人配送ロボット

などが該当します。

人間同士を接触させないで、商品の購入や受け渡しを完了させるビジネスですね。

実は、これらは新型コロナウイルス発生の前から既に存在していました。
中国国内で比較的早く一般化しているサービスと言えるでしょう。

世界的に見ると、認知度が高まったのが2016年に「Amazon Go」(アマゾン・ゴー)が登場してから。

入店→商品の選択→支払・決済

の過程で一切店員などと接触することなく、また完全キャッシュレス決済の「アマゾン・ゴー」は、次世代スーパーの肩書を手に入れました。

アマゾン・ゴー

これを機に、中国でも同様のシステムが大都市で見始められます。
ビジネスの匂いを嗅ぎつけた大小の企業が参入し、まさに群雄割拠といった感じ。

「阿里巴巴」(アリババ、Alibaba)が投入した無人コンビニ「TAO CAFE」は、その象徴ともなりました。

Tao Cafeコーヒーショップも併設された無人コンビニ

非接触ビジネスで生き残る企業

無人コンビニを更にスモールダウンした「無人棚」は、利用者の新鮮感を与えています。

代表的なのは役所やオフィス内で目立ち始めた自動販売機「便利蜂」です。

元々はコンビニチェーンとして北京を中心に展開していましたが、2019年より自販機ビジネスに進出。
乳製品や菓子類をより気軽に購入できる環境を提供しています。

便利蜂オフィスに設置された自動販売機

基本的には自販機と同じ仕組み
顔認証システムが利用できるため、スマホを取り出さなくても商品の購入が可能なのです。

真新しいサービスではありませんが、「非接触」のキーワードから伸びている小売業の一つと言えるでしょう。

また時代の流れに沿って事業を拡大しているのは、配送業系。
無人受取ボックスの「丰巢」(HIVE BOX)は、各都市の住宅エリアで設置が急ピッチに進めらています。

宅配受取ボックス

元々は配送時の不在トラブルを解消することを目的としていましたが、施設内への人の出入が厳しく制限された2020年1月以降は、非接触という別のメリットが加わりました。

さらに外食産業が冷え込む中、多くの飲食店が出前中心のサービスと事業転換。
大手出前プラットフォームの「饿了么」(ウーラマ、Eleme)や「美团」(メイトゥアン、Meituan)は、配達員を増員するとともに、新型コロナウイルスに対応したサービスを開始しています。

感染機会を可能な限り減らすために、配達員はマンションや住居地区に入ることができません。
そのため、1階のエントランス付近に専用の「取食棚」を整備しました。

ウーラマの宅配ボックス出前専用の宅配ボックス

出前専用の受取ボックスですね。
保温機能が完備されていて、料理を冷ますことなく利用者に届けることが可能です。

下まで降りることになり、注文した利用者の手間にはなるものの、衛生面・安全面にも配慮したサービスだと思います。

非接触ビジネスの将来の課題

ただし、懸念点も存在します。
新型コロナウイルスによって生まれた特殊な需要は、長くは続きません。

需要と供給のバランスこそが、マーケットの本質だからです。

そして「非接触ビジネス」によって解決されたものは、人的な効率の問題でした。

①無人コンビニ
店舗内のスタッフ、アルバイトの人数を極力まで減らし、営業時間を長くする。
間接費用を削減する効果が期待できる。

②宅配受取ボックス
「ラストワンマイル」(サプライチェーン・マネジメントにおける最終区間)のサービス効率を最大化。
配送過程で発生する遅延コストや人的コストを抑える役割となる。

③セルフレジ
来店者がストレスなく決済を行える仕組みを構築。
最終的には、「アマゾン・ゴー」同様、レジすら無い店舗が増え、店員が不要となる。

情報テクノロジーが進歩する中で、淘汰される人・モノが必ず出てきます。

AIによって奪われる仕事

とも言えるのでしょうか。
便利さ・快適さと同じに、ボクたちには「不安」に2文字が頭を過ります。

ただし、オートメーション化が進むこと=失業と結び付かないケースもあります。

例えば、医療分野では遠隔操作による問診で、対面しなくても治療や診断が可能。
AIロボットと医療従事者とが共存して、より効果的な仕事のやり方を見つけています。

また相手の感情を読み取って判断する能力も、人間の方が未だに優れています。

将来的にも「無人化」「非接触」の必要性は高まり、行政や公共サービスの面から業界が加速することが予想されます。

※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。

■参考サイト(中国語)
疫情结束之后,“无接触商业”会凉凉吗?

タイトルとURLをコピーしました