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【基本知識】ゲーム業界における自社IP(知的財産)と他社IPのメリット・デメリット

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「ポケモンGOって凄い人気だよね」
「ドラゴンクエストウォークも負けていないみたいだよ」
「ボクはドラゴンボールZドッカンバトルにハマっている」

学生や社会人の間で交わされる会話を想定してみました。
誰もが一度は耳にしたことがある漫画やゲームかと思います。

これらは有名なIPを上手く活用したビジネスの一つです。
ここではIPの活用方法と、自社IP&他社IPの違いなどをメモっていきます。

本記事で参考になること
・IPの基礎知識が理解できる
・IPビジネスの仕組みが分かる
・自社IPと他社IPの違いやメリットとデメリットが分かる
信頼性
・オンラインゲーム事業、運営歴9年。
・海外ゲーム企業の日本進出の支援経験アリ

ゲームIPとは?

IPとは、「知的財産」のこと。

知的財産=Intellectual Property=IP

と略語で使われる法律用語です。

では、どのようなものが「知的財産」かというと、

・発明、考案、創作行為によって人間が生み出したもの
・商品、作品、キャラクターなど財産となるもの

がそれにあたり、著作権と言い換えられることもあります。

そして、ゲーム業界におけるIPは、

昔から人気があり、また世の中に広く知られている作品やキャラクターのデザインを使用したコンテンツ

を指すことが多くなっています。

【基本知識】ゲーム業界のIP(知的財産)って何?
「また強力なIPのスマートフォンゲームが発売されたね」 「家庭用ゲームで良く聞く「アイピー」ってどういう意味?」 「って、そもそも「IP」って何なの?」 ボクも最初に耳にしたときは、少し戸惑いました。 横文字なんかで言われて、余計に意味不明...

ゲームにおける自社IPと他社IP

IPとは財産のことですね。
この財産がどこに属するかで、呼び名が変わったりします。

①自社IP

当たり前のことですが、自社内で開発・制作した作品、キャラクター、ゲームが「自社IP」となります。
版権・著作権は自社に属します。

漫画・アニメの例

機動戦士ガンダム=バンダイナムコ
ドラゴンボール=集英社&鳥山明(作者)
ポケモン=任天堂&クリーチャーズ・ゲームフリーク
ワンピース=集英社&尾田栄一郎(作者)

ドラゴンボール

ゲームの例

スーパーマリオ=任天堂
ドラゴンクエスト=スクエア・エニックス
パワフルプロ野球=コナミ

上記が作品と版権元の一例です。

漫画やアニメの場合、IPの版権は出版社やメディア、ゲームタイトルの場合は開発元やゲーム会社が所持していることが多いです。

なお、作品内のキャラクターも含めてIPと称されます。

②他社IP

他社が所有しているIPのこと。
自社では版権元に無断で、作品やキャラクターを商用等に使用することはできません。

そのため、例えば、
「ドラえもんのマグカップを作りたい」
と思ったら、著作権元の小学館に許可を得る必要があるのです。

また、無償利用といったケースは少なく、一定の対価も発生するでしょう。
この両社の間で生まれるのが「IPビジネス」です

IPビジネスとは、

・自社IPの使用権(ライセンス)を他社に販売すること
・他社IPの使用権を取得して、新たなコンテンツを制作すること

とまとめられるでしょう。

自社IPと他社IPのメリットとデメリット

なお、
自分たちで創り上げたIPを使って新たな事業展開を行うこと
もIPビジネスには含まれます。

「IPを使用する」という観点だと、

・自社IPを自ら活用
・他社IPを拝借して活用

の2パターンですが、どれにおいても、良い面・悪い面が存在します。

それぞれの立場からメリットとデメリットを見ていきましょう。

①自社IPを活用

ファイナルファンタジー

メリット

・財産/ブランドとなる
・収益は全て自社に入る
・シリーズ化が期待できる
・事業の横展開の可能性
・他社にIP使用権を販売できる

など、自社の作品やキャラクターが大ブレークすれば、莫大なメリットが生まれます。

漫画から始まった「ワンピース」はアニメ、映画、ゲーム、ノベルティグッズとIPを活用したビジネスにより、日本ブランドとして世界中に広がりました。

自社IPがもたらす良い例と言えるでしょう。

デメリット

・莫大なリソースを要する
・育てるのに時間がかかる

どのような作品も多くのファンを獲得し、認知されるまでには相当の年月が必要です。
また人、モノ、カネも多く投入されるため、強力なIPとなるまでのコストも少なくありません。

有名な作品やキャラクターでも最低10年はかかっていると思います。

②他社IPを活用

中国のワンピースのゲームワンピースのIPを活用した中国のゲーム

メリット

・知名度がある
・広告費を抑えられる
・IPを育てる必要がない
・一定の収益が見込める
・ゼロからファンを集めなくてもよい

他社のIPを活用する最大のメリットは、そのブランドにあやかれること。
無名な会社でも、有名なIPを通じて世間に名を知らせることが可能です。

他社IPでゲーム開発・リリースする場合、既存のファンやユーザーの存在によって、大きなプロモーションを行わなくても集客・収益が期待できます。

そして何よりも、時間的・リソース的な問題を解消できることが、他社IPを活用するメリットでしょう。

デメリット

・自由な設定ができない
・意思決定/スピードが遅い
・使用権料の発生/取り分は減少
・自社のオリジナル感は生み出しにくい
・原作の世界観を維持する必要がある

まずは他社IPを使用するにあたり、ある程度の出費が必須です。
いわゆる契約金の他に、売上に応じた分配金も発生するでしょう。

この辺りがデメリットにあたります。

また各IPには様々な規制や条件が加えられている場合が多いです。

例えば、

・アニメと同じ声優を起用
・原画を反転させてはいけない
・デザインや色合いの変更は不可
・BGMを使用するには、別途費用が発生
・キャラクターの性格や世界観を崩してはいけない

などなど。

内容によっては、逆に開発に支障があるような

さらに完成物においても、版権元の確認作業や監修が発生することもあり、ゴーサインが出るまで時間がかかります。
大切なIPを守るためなので、十分に留意が必要です。

最後に、他社のIPを使い続けるだけでは、結局自分たちのブランドは育ちません。
いつまでたってもオリジナルIPが生まれないため、長期的に見ると不利となるでしょう。

最後に…

IP=知的財産を生み出すためには、最低10年はかかるでしょう。
また、その過程で莫大な人、モノ、カネが費やされます。

既に強力なIPを所有している会社は、版権の販売。
IPがない会社は、使用権の取得と活用。

この両者の間にIPビジネスが成り立っており、ゲーム業界も大きな一端を担っているのです。

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